『夢の肉弾三勇士』篇

3月14日(月)

10時から歌稽古。が、朝起きると声が出ない。ひどい声になっている。参った。取りあえず、マイク・テスト。

ダメだ。11時から明りあわせ。声は出てないので兎に角、喉を暖めて、小さい声でやる。取りあえず、風邪が完全に治りきらないと・・・。

プレビューはソロはなし。芝居は何とかやる!!7時半からゲネプロ1回目。なんとか最後まで声は出ている。明日まで治りたいが・・・。

10時から劇場作り。明日は踊り、歌、キッカケ合わせ。3時からゲネプロ。集中力!!落ち着いて役者を思いっきり楽しむつもり。たかが、33年前のおれの言葉だ、でもいい言葉もあるな。詩人になりたかった15歳・・か?

≪「詩と思と私と死」のリュウザンジアラベスクが・・・・・生(い)きて呼吸(い)きして逝(い)くアマノ曼陀羅になつちゃった。≫

でも実に楽しい1ヶ月であった、アマノと劇団員に感謝。いや、役者はいいな、本当に。

なるべく迷惑かけないようにするからよ。で、『夢の肉弾三勇士』の稽古場日誌はジ・エンド。

3月13日(日)

朝8時から照明。

私は2時から楽塾『夏の夜の夢』2幕の稽古。3時間近くの野田の緻密な台本、なかなか切れない。

が、勢いとオバサン(失礼!)達のノリでやるしかない。なんとか今度の(日)(月)の連休でかっこつけねば。

5時過ぎまで榎町区民センターでがんばる。

6時から準備、7時から場当たり、明りあわせ。順調に進む。10時半、3分の1で終わり。明日は10時、歌のマイク・チェックからの始まり。11時今日のシーンを通して後半。兎に角、やる事が多い。全員がスタッフでキャスト。それがアマノの芝居。

当日パンフの原稿書き上げ、送る。勅使河原三郎演出のダンスを横目で見ながら。で、尾上松録の素踊り。

それにしても1箇所どうしても入らない台詞がある、ヤバイ。あと1日。本番はやってくるのだ!

 

3月12日(月)

稽古は1時からなのだが12時に稽古場に行く。と、加地君と塩野谷と直美が来るなり掃除し始める。「劇場」に変貌したスペース早稲田。綺麗にしなきゃ、である。そういえば10日間も壊れていたトイレもやっと直った。

1時から踊り稽古。2時から歌稽古。3時から小返し。6時から通し。最終通しである。上演時間は1時間40分。

7時から衣裳の直し。小道具の直し。美術の直し。33年前は軍服の衣裳なんてかなりいい加減だったが今回は凄い。

その間に私は稽古場から3分の榎町区民センターで「楽塾」の稽古9時半まで。2幕の前半を当る。明日照明の吊りこみの間、昼1時から6時まで楽塾『真夏の夜の夢』の2幕を荒く作り上げる予定。こっちも大変だが楽しい仕事。こっちも15曲は歌うぜ。

アマノと久しぶりに2人で飲む。明日の夜、明りあわせの時もう少し作りこもうと話す。

事務所で6月公演でインドネシアから招聘する3人のVISAの書類書き。

風邪でひどい声、鼻水とセキも止らない。参った。馬鹿だから風邪引かないと思っていたのに、俺もやわになった。寝るしかない。

3月13日(金)

11時。今日で3回目の演博、読売の田中さんも朝日の藤谷さんと同じ早稲田出身とのこと。

海外公演についてイロイロ話す。坂手君たちの『屋根裏』アメリカ・ツアーの話と一緒に特集を組むとの事。

2時までロング・インタビュー。稽古場に行くと作業の真っ最中。スペース早稲田が劇場に変わって行く日である。

パイプ椅子で「指定席」用の客席作り。実に観やすい劇場。水谷さんが美術作業。衣裳は2日続きの徹夜?それは無い。明日最終チェック。映像のための撮影。で、明りの吊りこみ。本番まであと3日。いよいよ秒読み開始。

お楽しみはこれからだ。

風邪気味だ、ヤバイ。左の頬には傷!!イヤハヤ最低。今日は早く寝よう。疲労困憊のテイ。

3月10日(木)

朝から衣裳、小道具、セット作りと作業が明日まで続く。なんとか「明日」までには終わらせようぜ。

衣裳は軍服、白衣、チョゴリ、イロイロ、大変。おまけに変な小道具や旗やらその他作り物多し、で全員バタバタ。それに制作作業もあるしと、総力戦。ジムショとケイコ場が近くなって本当に助かる。アマノも泊まっているし。

劇団員総出でやっている。考えてみたらこの1年、公演の連続、海外ツアー組も、日韓コラボレーション組も365日1日も休みなし。疲労の極地。が、ここが踏ん張りどころ。面白い「何処にもない芝居」が誕生しそうな現場にいる愉しさ・・・これだけはやったもん勝ち。入団3〜4年目の連中は確実に育っている。あとは舞台に立つテメエの自覚と責任だ。

流山児★事務所はいま日本で実験的でもっとも尖鋭的で大衆的な「最前線の演劇」を作っている!!

例によって4時から稽古。6時から通し、あと一踏ん張り。

8時からセットの色塗り、初めて仕事するが水谷さんのセットは凄い。アマノ・ワールドを知り尽くしている水谷さんでしか考えられないセット。塩野谷、栗原ら男たちが一丸となって早稲田の空間を変えてゆく。

女優たちは縫い物、小道具作り。あと4日、ワクワクしながら本番にむけてやる事をやるだけ。

11時伊藤裕作さん久しぶりに会って、「とおる寿司」で飲む。伊藤さんは「ピクニック・コンダクタ」の初演のプロデューサー。6月本多劇場の上演について許可というか、いま15年前の坂手の作品を改訂上演する意義について話す。「演劇の冒険」!!深夜2時まで痛飲。いかん。

そういった意味では『夢の肉弾三勇士』は圧倒的に面白い作品に仕上げねば!!「面影橋から」ガンバロー!

明日は11時読売新聞の取材。3回目の早稲田演劇博物館。3時就寝。

 

3月9日(水)

2時すぎ演劇博物館で毎日新聞の高橋さんと待ち合わせ。

一緒に展覧会を観る。そのあと取材。海外公演のこと、これからの事など・・・・。

シアターガイドの編集長今井さんと「小劇場は死滅するか」なんて話を長電話。稽古に遅れそうになる。4時半から歌稽古、踊り、台詞あわせ、ラスト・シーンの稽古。通し2回目。

どんどん進化している。

やっと自分の「役」を作る楽しさのとば口にたどり着いた。昨日とは全く違う作り方を試す。テンション上げすぎて窓に顔をおもいっきりブッツケテ傷血がたらり。馬鹿だなー。思い切り劇団員に笑われた。でもやるんだもん。

歌はもう少し。あと5日、やれるだけ試すしかない。それにしてもキチガイの書いた本だ。面白い。24歳のテメーに本気で今あってみたいと思っている稽古場の日々。

「BEIJIN G TODAY」から劇評が届く。カッコイイ。「A Samurai Tragedy」。各地から続々劇評が届く、嬉しい限り。

 

3月8日(火)

12時すぎから歌稽古。ギラギラ太陽が・・である。

でもって「面影橋から」。うん、もう少し。1時から歌稽古、踊り稽古。私だけ踊りなし。

だから歌う時にテメエで振付けてやることにした。2時すぎラストシーンの稽古。

4時から通し、1時間40分。あと5分は短まる。台詞はほぼカンペキ。明日からセット作り、小道具、衣裳作りと盛りだくさん。が、3日でやる!!

7時から若手演出家コンクール公開審査会、「劇」小劇場。1300人を超す観客で最大の観客動員。完全に春の下北沢の名物になった。

激論3時間、最優秀演出家賞はひょっとこ乱舞の広田くん、東京ミルクホールの佐野くん同票のダブルj受賞。観客賞は左藤くん。表彰式のあと一波乱も二波乱もあった。いや、「面白かった」。来年のコンクールの運営はこいつらにまかせたいと本気で思った。

打ち上げも近来に無く盛り上がり。それにしても和田さん、大西君をはじめとした実行委員、スタッフ、「劇」小の斉藤さんをはじめとしたスタッフ、本当にありがとうございます。来年もヨロシク。来年こそちゃんと、働きます。それにしても6劇団が飲んでる様はいい。

2時過ぎまで飲む。3時就寝。

 

3月7日(月)

今日も1時稽古開始。昨日夕沈先生のおつかれ会で朝まで飲んでいたみたいで稽古場が酒臭い。前半から細かく作っていく。

段取りというかアマノ演出は緻密で繊細。集中力が必要。台詞は大体入った。

6時までミッチリ。ヘロヘロ。7時から前半通し。でラストまで作る。それにしても出番多し。

明日は本格的な通し。映像の打ち合わせで島田君。音響は大変、洋介マッサヲ。珠水さんの曲派いい。「面影橋から」はオリジナルと珠水版の競演。

5曲、歌います。ソロは2曲。明日は12時から歌の特訓、裕美先生お手柔らかに・・だ。

11時高円寺でサワダさんのところで6月本多劇場公演『戦場のピクニック・コンダクタ』のチラシ・ポスターの打ち合わせ。写真セレクト。いや、ほんとに身体が悲鳴を上げている。終電で帰る。

それにしても年のせいか息が上がる。ま、無い脳味噌使うより、身体使うしかないもんね。1時近く帰宅。台詞確実に入れなきゃ・・・。


3月6日(日)

1時稽古。
大体台詞入ったが、どうしてもテメエが「33年前」にかいた言葉なのに違和感がある。

塩野谷、悪源太、加地の3人のシーン始めてみたが涙が出た。凄い!負けられない。
明日はがんばるぞ!!

「楽塾」の稽古約束していたのに、結局2日間とも行けず。
ゴメン。来週は何とかいけるようにする!!本当!!

8時から照明のキンタローさんの為の「私抜きの通し」。こちらにも迷惑かけっぱなし、ゴメンの2乗。下北沢へ。若手演出家コンクールラスト。
小松くんの『アゲハ』6本見た、今年は豊作。

森井さんと少し飲む。NHKの要さんと合流。悪酔い!!
飲んでる暇ありゃ、台詞入れろ!!である。

2時帰宅。さあ、あと8日間。それにしても歌3曲、覚えられるかいな?

 

3月5日(土)

   12時下北沢。コンクール。札幌の清水君の作品「隣の王様」を見る。

2時稽古。台詞後半入らず。困った。
落ち込む。そんな暇も無い。兎に角覚えること。明日も特訓。歌3曲。

8時、下北沢。コンクール腹ペコペンギンの白坂君の「晩餐会」。

深夜、元青学全共闘のれんちゅうにダイレクトメールの手紙を書く。是非観てもらいたいものだ。

3月4日(金)

朝11時記者会見。10社近く。HEP HALLの丸山さんを始めとしたスタッフは心強い。何としても大阪公演成功させるぞ!!

3時過ぎ、近大で開催されている唐十郎フェスティバルにゲストで呼ばれているのでいく。テントが2つ立っている。
4時夢桟敷の『愛の乞食』を見る。面白い、10代の演じる唐戯曲。
考えてみたら『夢の肉弾三勇士』はこの作品のパクリであり、パロディーである。
アフタートーク。アングラがアカデミズムになりスタンダード化している倒錯的現在。
アングラとは何だったのか、海賊にとって近代とは何か?

唐さん、近大の教授になる!!まさに、人様々の人生である。
まあ・・・・。  学生たち、山南、夢現と飲む。最終の新幹線で帰京。台詞入らず。

3月3日(木)

名古屋。愛知文化振興事業団の富田さんと『ハイ・ライフ』の情宣ぴあ、朝日、毎日、名タイなどを回る。名古屋の小劇場も集客が落ちて手うりが大半とのこと。いや参ったな。ま、やれることからやるしかない。

夜大阪。梅田の精華小劇場に行く。いい劇場。小堀たちが血と汗と涙で作り上げ苦闘して運営している。2時すぎまで例によって飲む。梅田のHOTEL泊。

3月2日(水)

お昼12時から早稲田演劇博物館で「1970〜2005演劇団〜流山児★事務所展」を朝日新聞の藤谷記者と見学。70年代から説明、アングラの楽しさについて語る。その後インタビュー。2時から稽古、1〜4章何とかラフに、疲れる芝居だぜ。おまけに5・6章は出ずっぱり。

明日早朝から『ハイ・ライフ』の情宣で名古屋、大阪行き。アマノいわく「2日間旅先で台詞完璧に入れてください」とのこと。わかりました頑張ります。今日1日横須賀智美と畝部が私をビデオ撮影。中国CCTVの流山児祥特集のため。

塩野谷も悪源太もダンス完璧。おれだけ滅茶苦茶忙しくてまだ1回しかダンス稽古やってない、どんどん進んでいる、ヤバイ!!

7時から「劇」小劇場で若手演出家コンクール審査。3本目。

今年は全部違ってて面白い。それにしても今年のコンクールは大盛況である。4年でこの企画は下北沢に定着した感あり。実行委員、スタッフに感謝。

明日は名古屋。あさっては大阪。近畿大学でやっている「唐十郎フェスティバル」に参加している熊本の夢桟敷『愛の乞食』のアフター・トークのゲスト。『盟三五大切』でお世話になって以来、半年振り、皆元気かな?行きますよ待っててね!!そうだ、宮崎のこふく劇場も東京に来ているんだ。行けなくてホントにごめん!

 

 

3月1日(火) 

お待たせしました、『夢の肉弾三勇士』の稽古日誌の始まりです。
帰国した日から本読みという強行スケジュール。
例によって高取台本も天野天街によって解体、再構成されつつある。
夕沈ダンスも3曲、珠未作曲の音楽とアマノワールドに染まりながらも33年ぶり、に私たち「演劇団」が作ってきたものの根幹は現在の時代にも充分通じると実感する稽古場の日々。
33年前に兄貴(藤岡賢祐)が演じた「朝日平吾」の役をやることになった。
大変なんてもんじゃない。こんな大量のせりふ覚えられるんだろうか?
ま、あと2週間。スゴイ芝居になることは確実。

夜は下北沢「劇」小劇場で日本演出者協会主催の、若手演出家コンクールの審査員。
面白い、元気になる。

俺も頑張るしかない!!