2023.12.ゆめ　とうちゅうけんうしえもんの

あらすじ

百年前、アジアが大きく揺れ動いていた。
眠れる獅子の中国は清朝末期、革命が芽生えていた。
日本では熊本の地に、新しい時代の訪れを待ち望む男がいた。
宮崎兄弟の末弟、宮崎滔天である。

自由民権運動の志士である兄たちの影響を受けた滔天は、兄の遺志を革命に身を投じた中国の人々に重ね合わせ、惜しみない愛と支援を送り、孫文と仲間たちに出会い生涯に渡る固い信頼と友情の絆を結ぶ。

民族の独立と平和、民衆のための新しい国家の建設。

しかし、天下国家を論じアジアを駆け巡っていた滔天はある日突然、浪曲師・桃中軒雲右衛門の門を叩く。革命家から浪曲師：桃中軒牛右衛門となった滔天。
彼の心に何が起こり、何をしようとしたのか？

宮本研の名作戯曲を日本アカデミー賞脚本賞受賞の劇作家：詩森ろばが「現在の視点」で大胆にアダプテーション。百年前、日本と中国の自由と民権を求める人々の交流を、おんなたちの視点で描いた友情と冒険の物語。


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Story

One hundred years ago, Asia was in a time of great turbulence.The political revolutionary movement was taking place at the end of the Qing Dynasty, and one Japanese man named Toten Miyazaki eagerly waited for the new era coming.
He helped many Chinese revolutionaries such as Sun Yat-sen with their activities, and they were bound by strong ties of friendship.


They had a dream of achieving racial independence and building a nation - a nation for people.


In order to make the dream come true, Toten rushed around Asia and set the world to rights; however, all of a sudden, he became a pupil of Tochuken-Kumoemon, who was a naniwa-bushi reciter.
The revolutionary Toten Miyazaki transformed himself into the naniwa-bushi reciter Tochuken-Ushiemon.
What changed his mind?
What was his real motive?
What did he try to do?



Roba Shimori, who won the Japanese Academy Award for Writing Original Screenplay, boldly adapted Ken Miyamoto's masterpiece play from a modern perspective.

僕は1947年熊本県荒尾市向一部で三池炭鉱の炭鉱マンの子供として生まれました。
有明小学校、 荒尾第一中学、 そして15歳で千葉県流山市に引っ越します。

故郷の英雄：宮崎兄弟の名前は耳にタコができるほど聞かされました。
西南の役で民権党を率いて死んだ長兄八郎。 孫文の名を滔天に教え、パリ万博に日本国農民代表の名を残す一兄民蔵。 中国革命への志を託して死ぬ二兄弥蔵。

謀叛の兄弟は自由民権の英雄でした。

滔天さんの生家は、 母の実家の向かいの大屋敷。
祖父は幼 い孫の僕にアイスキャンデーを買い手製のポートを作って くれ滔天さんの話をしてくれたものです。

『夢桃中軒牛右衛門の』 は、 宮崎滔天という明治の青年が、自由民権の洗礼を受け、 アジアを駆け巡り、 中国の青年たちと辛亥革命へと至る大河ドラマのような物語です。

この劇で、滔天さんは大道から生れた民衆芸能である浪花節語り・桃中軒牛右衛門に転身した男として登場します。

《アジアの民衆革命》 そして、 日本の大衆芸能という 《自由》 へのニつの道を一気に駆け抜けた漢です。

自由と民主主義の危機 この時代、人権、 平和という理想を追い求めた滔天さんの優 しい声が皆さんに届くように。

流山見★事務所主宰
演出家
流山児祥 (りゅうざんじ しょう)